中之島図書館は1904年（明治37年）、住友家の寄贈によって「大阪圖書館」として開館しました。当時の住友家の当主であった住友友純は1897-1898年にかけて欧米漫遊の旅行をしており、その時に現地の富豪が公的事業に私財を投じている姿勢に感銘を受けたといいます。大阪圖書館の建造にあたり、友純はその費用を寄付しただけではなく、住友家の命を受け1年にわたって西欧の建築を視察した野口孫市（住友本店建築部技師長）を差し向け設計に当たらせました。

　その後、中之島図書館と名を改められたこの建物は、明治期の西洋建築を代表する建物のひとつとして、1974年に国の重要文化財に指定されました。外観は当時ヨーロッパで定着していた後期新古典主義の影響をうけた重厚かつ均整のとれたつくりに、一方、内部はかつて主流であったバロック様式をより自由に動的に発展させたネオ・バロック様式になっています。

　2017年5月に第1回の古楽演奏会が行われ、広すぎない空間と石造建築ならではの残響の長さから、古楽に最適の音響空間として高い評価を受けました。

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